横山勝美 氏【YSPレーシング・チーフメカニック】

横山勝美 氏【YSPレーシング・チーフメカニック】

YSPレーシングでは、ホイールの塗装をお願いしています。ホイール全体はダイヤモンドコートで、タイヤ・ビードとの接触部分にはビードストッパー塗装を施しています。お付き合いは中冨伸一選手がJSB1000を走っていた頃からですね。

近年の大排気量レーシングマシンでは、ホイールとタイヤが走行中にズレて、タイヤが回ってしまう現象が起きます。ご存知のとおり、タイヤを組んでからホイールASSYでホイールバランスを取り、バランスウエイトを取り付けます。これはストリートバイクでも同じですよね。

走行中にタイヤが回ってしまうと、このホイールバランスが崩れて振動が出てしまい、これはハンドリングにもタイヤの持ちにも良いわけがありません。

リアタイヤは駆動力で回ってしまうのですが、最近はフロントがブレーキングで回ってしまうのです。フロントが回る現象はJSB1000では中須賀克行選手(2008年JSB1000チャンピオン)が乗り始めてからで、MotoGPでも問題になっています。それだけハードブレーキングするようになったということです。

タイヤも低圧タイヤとなって、タイヤ剛性が上がり、より広い敷地面積になり、さらに強く押し付けることでグリップを上げるように設計されてきています。ようするにブレーキングGは上がっていく方向で、それに耐え切れずタイヤが回ってしまうのです。タイヤとホイールは空気圧やビードの張りで密着しているだけですからね。

また、ライダーも直線区間やコーナリングでは、他車とそう差をつけられないので、どうしてもブレーキング勝負となりますから、フロントまわりへの負担は益々増えてきました。

リアと同じでフロントが回ってしまうと、振動が出てしまいます(チャタリング)。当然、ライダーは乗りづらく、同時に不安にもなり、それまでのような走りができなくなります。

ビードストッパー塗装を施してから、タイヤはまったく回らなくなりました。ものすごい効果ですね。また、効果の持続性もすばらしく、1シーズン問題なしです。というのも1シーズンでホイール本体のダイヤモンドコートとビードストッパーを再塗装してもっているので・・・。これは念のためでもあり、化粧直しでもある、問題が出たからではありません。あくまで西村コーティングさんのサービスです。

レーシングマシンでは、予想される不安要素を取り除いておくことが非常に大切なので、その点、ビードストッパー塗装は本当に助かります。見えない部分ではありますが、その高い技術が現在のレースを支えているといえます。

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